バランスホールの位置によるRG/ΔRG値の変化について
昨日ご紹介したkindle本は、
バランスホールの位置による、ボールの動きの違いについてでしたが、
ロトグリップフェア時のセミナー資料にそれについての記述がありますので、
今日はそちらはご紹介したいと思います。
資料内容は、ドリル前のRG、ΔRG、マスバイアス差から、
ドリル後、そしてバランスホールの位置や大きさが変わった場合、
RG、ΔRG、マスバイアス差がどのように変化するのかが載っております。
RG値やΔRG値が変化するということは、ボールの動きも少しですが変化するということになります。
カバーストックの影響力が70%ほどで、残りが30%ほどですので、
このバランスホールでボールの動きに与える影響はあっても数10%ほど。
でも、RG値を変化させることで曲がり出しの位置や、
ΔRG値を変化させることで、奥での曲がりを幅を調整することは出来ますので、
自分の欲しい動きのボールのドリルレイアウトする時の参考にされてみてはいかがでしょうか(^^)
* 今回のこの資料はすべてハイスポーツさんの2015年ロトグリップフェア時のセミナー資料から抜粋しております。
ドリル前とドリル後(バランスホール無し)
ボールはROTOGRIPのメナスのケイジコアとなっております。
ちょっと数値が見にくいですが、画像はPCからならすべてクリックすると拡大表示が出来ます。
まずはドリル前の数値。
RG 2.520
ΔRG 0.054
マスバイアス差 0.015
そして、ドリル後(バランスホール無し)の数値。
RG 2.519 ( -0.001 )
ΔRG 0.056 ( +0.002 )
マスバイアス差 ( +0.009 )
となっております。
表面素材とコアをドリルによって削り取りますので、当然各数値は変化しております。
バランスホールあり、PAP上
次にバランスホールがPAP上にある場合です。大きさと深さの3パターンあります。
まずは大きさが小さい場合。
RG 2.518 ( -0.002 )
ΔRG 0.055 ( +0.001 )
マスバイアス差 0.023 ( +0.008 )
そして、PAP上で大きさが大きい場合。
RG 2.517 ( -0.003 )
ΔRG 0.055 ( +0.001 )
マスバイアス差 0.022 ( +0.007 )
最後にPAP上で大きさが大きく深い場合。
RG 2.518 ( -0.002 )
ΔRG 0.055 ( 0.001 )
マスバイアス差 0.023 ( +0.008 )
これを見てみますと、PAP上にバランスホールをあけた場合は
それほどボールの動きは変わらなさそうですよね。
ドリルレイアウトによる、静的バランス規定に収めるという意味であける場合には良さそうです。
バランスホールあり、右上
次はバランスホールが右上側にある場合です。
ここはボールの動きを抑える効果があると言われています。
まずは大きさが小さい場合。
RG 2.520
ΔRG 0.053 ( -0.001 )
マスバイアス差 0.024 ( +0.009 )
そして、大きさが大きい場合。
RG 2.522 ( +0.002 )
ΔRG 0.049 ( -0.005 )
マスバイアス差 0.025 ( +0.010 )
最後に大きさが大きく深い場合。
RG 2.525 ( +0.005 )
ΔRG 0.048 ( -0.006 )
マスバイアス差 0.025 ( +0.010 )
右上にバランスホールをあけた場合は、
穴の大きさが小さければ、それほど変化は無いですが、
大きさが大きくなれば、ΔRGが減少しフレアを抑えることになり、
ボールの奥の動きを抑えることが出来そうです。
また深くすれば、少しだけですがRGが増えていますので、
高慣性になり、ボールの曲がり出しを遅らせることが出来そうですね。
バランスホールあり、右下
次はバランスホールが右下側にある場合です。
ここは奥での曲がり幅を増やす効果があると言われています。
まずは大きさが小さい場合。
RG 2.517 ( -0.003 )
ΔRG 0.061 ( +0.007 )
マスバイアス差 0.028 ( +0.013 )
そして、大きさが大きい場合。
RG 2.513 ( -0.007 )
ΔRG 0.069 ( +0.015 )
マスバイアス差 0.036 ( +0.021 )
最後に大きさが大きく深い場合。
RG 2.514 ( -0.006 )
ΔRG 0.071 ( +0.017 )
マスバイアス差 0.038 ( +0.023 )
これを見れば明らかなように、右下にバランスホールをあけた場合は、
穴の大きさに関係なく、ΔRGが増大し、大きくなれば、また深くなれば更に増大しております。
フレアが大きくなり、言われている通り奥の曲がり幅を増やす効果があります。
またRGも減少する傾向にありますので、転がりやすく少し手前から曲がり出す動きになると思われます。
曲がりを増やしたい時は、右下にバランスホールをあけるのは効果的なようですね(^^)
マスバイアス差も大きくなっていますので、奥での動きは激しくなりそうですが(^^ゞ
最後に
この資料を見ますと、バランスホールのあける位置は、
静的バランスを規定以内に収める時なら、PAP上に。
曲がりを抑えたい時は、右上に大きめで。
奥での曲がり幅を増やしたい時は、右下に大きめで。
ということになりそうですね〜(^^♪